「黄昏色の詠使い イヴは夜明けに微笑んで」を読んだ

あけましておめでとうございます。

 

突然ですが、Kindle paperwhiteを買いました。衝動買いに近い買い物だったんですが、元々「ちゃんと読書をしていきたいな~お風呂で本が読めればいいのにな~」と常々思っているところに、「Kindle paperwhiteなら風呂で読書できる!」的な情報をTwitterで見かけた上にAmazonでは年始のセールが開催されていたため、買ってしまえと勢いで購入しました。小型軽量で持ち運び易く、風呂に浸かりながらでも、電気消して寝る直前でも、いつでも書籍が読めるので、結果的にめちゃくちゃ満足してます。

 

本を読む環境を整えて次に何をするかというと読む本を決めないといけませんね。自分でも読みたい本はたくさんあるんですけど、たまには自分が普段読まない本を読んだ方が世界が広がるんじゃないかと思って、周りの友人に「何かおすすめの本はないか?」と聞いたところ、山ほど電子書籍のタイトルを教えてもらえました。せっかく教えてもらったのですべて購入。余談ですが、下記の記事によれば、たくさん本を読むコツは「事前に本を買っておくこと」らしいです。

www.lifehacker.jp

 

まぁ要するに「いつでも本が読める環境にしておけ」ということだと思います。そんなこんなで読む本がたくさん出来たので、少しずつオススメされた本を読んで、読んだ内容と感想をブログに投げていくことを今年はちょっと頑張っていこうかなと思います。

 

ようやく本題に入りますが、今回は「黄昏色の詠使い イヴは夜明けに微笑んで」を読みました。購入したのが全10巻の合本版で、本当は全部読み終わってから感想を書こうかなと思っていたのですが、自分の読書力がまだまだ弱い*1のと、1巻のお話の納まりが良かった*2ので、このタイミングで書いてしまおうというわけです。加えて、結構世界観や設定が細かく作られている作品なので情報の整理も兼ねていければなという感じです。

 

 

黄昏色の詠使い イヴは夜明けに微笑んで

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黄昏色の詠使い イヴは夜明けに微笑んで

まずは簡単にこの本の紹介をば。この作品は細音啓さんのデビュー作で、黄昏色の詠使いの後にも世界観が共通している作品を何作か執筆されているみたいです。ジャンルとしてはライトノベルですかね。僕はライトノベルと呼ばれるものは今まで読んだことないので、この作品が初ライトノベルです*3

 

余談ですが、この本絶版になってるらしいですね。Amazonには中古の在庫があるみたいですけど、古本屋を探しても品薄の可能性が高いんだとかなんとか。こういうとき、電子書籍があって良かったなと思います。

 

 世界観の説明ですが、作中の世界では名詠式(めいえいしき)という召喚術が存在しています。名詠式とは、召喚したいものと同じ色の触媒(カタリスト)を準備した上で、セラフェノ言語*4を用いて召喚対象の名を讃える讃来歌(オラトリオ)を詠うことで、召喚が出来るという召喚術になっています。召喚可能な対象は石ころのような無機物から伝説上の生物まで多岐にわたるらしく、理論上は割と何でも召喚可能のようですが、無生物よりも生物を召喚する方が技術を要し、言語を解するような高度な生物を召喚するにはかなりの修練を重ねる必要があるみたいです*5

 

名詠式は学問として、赤(Keinez)・青(Rugus)・黄 (Surisuz)・緑 (Beorc)・白 (Arzus)の5色が体系化されています(この5色以外の名詠式は存在しないらしいので、ピンク色のものとかは召喚不可なのかな…?)。どの色も技術体系が異なり、1色をマスターしたからと言って他の色への応用が利くということはありません。1色を極めるのにも最低で10年程度はかかり、マスター出来るのは才能のある人でも3色が限界というのが、この世界の一般的な認識みたいです。

 

そんな名詠式を学ぶ学校、トレミア・アカデミー(名前がMtGの激ヤバ土地カードに似ている…)を舞台に、赤色名詠専攻の学生クルーエル・ソフィネットと、謎の夜色名詠を専攻する飛び級転校生ネイト・イェレミーアスが物語を展開していくのが、この本の大まかな内容です。あんまりお話に触れすぎてネタバレになるのが個人的に嫌なので、ストーリーの話はこの辺で。

 

本を読んでの感想

かなり久しぶりの小説、かつ初めてのラノベを読んだということでなかなか感覚がつかめない部分がありましたが、かなり面白かったです。簡単に感想をまとめるとこんな感じです。

よかったところ

  1. 設定が固まっていて世界観が構築されている
  2. セラフェノ言語による名詠式の詠唱が演出としてカッコいい
  3. ハッピーエンド

1は上の方の作品紹介で書いた通りですね。そりゃあもちろん重箱の隅をつつけばどんな世界観の設定でも穴はあるんですが、割とすんなり飲み込めるような設定と世界観だったので、サクサク読めました。悪さも結構出来そうな印象があるので、今後の展開などなどが楽しみですね(なにせあと9巻もありますから)。

 

2に関してですが、最初は平穏な日常生活の場面でセラフェノ言語による讃来歌が登場するので、正直若干胃もたれ感がありました。非日常感が強すぎてなかなか馴染めないというか…。ただ、クライマックスシーンで登場するとめちゃくちゃカッコいいんだな、これが。男子小学生だったらみんな真似するんじゃないかな、セラフェノ言語の発音全然分からないけど。まぁ多分ビールみたいなもので、最初は飲めないけど慣れれば美味しくて好き好んで摂取するようになる気がします。

 

3は個人的には一番大事ですね。絶望しかないエンドとかメリバとかゾクゾクして嫌いじゃないんですけど、ズルズル引きずって日常生活に支障が出るので出来ればハッピーエンドでお願いしたい。このままの調子で今後の物語が続いてほしいですね。

 

おまけで個人的に好きなシーンを紹介すると、なんだかんだあって学生による学内名詠式発表会があるのですが、そこでネイトが失敗を求めて高度な名詠式に挑戦するところがとても好きですね。「負けイベに突っ込んで経験値を稼げ」みたいな教訓が僕は好きなので、ネイトのこの姿勢、ひいては著者の考え方には好感を持てました。

 

 

あんまりだったところ

僕が小説慣れしていないせいだとは思いますが、最初の方は物語の目的がいまいちつかめないまま話が進行するので、読み進める動機が「友人に面白いよって紹介されたから」だけになっていて、あんまりよくないなぁという感じでした。まぁ、人間の生活なんて九分九厘何も起きなくて、ほんの一握りのドラマチックがあるだけな気もするので、序盤はそうなるもんなんですかね。

 

ついでに、僕みたいな人間がたくさんいるから、最近のラノベとかなろう小説はタイトルにあらすじを盛り込んでクソ長くなるのかなとか考えて、大いに反省しなければという気持ちにもなりました。悪いのは僕です。

 

 

まとめ

面白かったので2巻以降にも期待してます。余裕が出来たら細音啓著の他作品も読んでみようかなといった感じです。読書力も上げていきたいですね。

 

 

以上 おわり。

*1:特に小説はほぼ読んだ経験が無い。ちゃんと読んだ記憶があるのは小学生の時のデルトラクエストぐらい。

*2:冷静に考えると、小説の1巻である程度お話が完結しないのはいかがなものかと思うので当然かなと。まぁこの辺も小説の読書経験が少ないことが仇となっている感じがありますね

*3:正直、小説とライトノベルの違いが分からないのが本音です。多分初めて。

*4:セラフェノ言語は作者オリジナルの創作言語。

*5:呼び出す対象によって上から第一音階名詠・第二音階名詠・第三音階名詠・第四音階名詠とランク付けされていて、第一音階名詠の召喚対象は色を司る真精(めちゃくちゃ強い)である。また名詠式の練度が高い場合、第二音階名詠までなら詠うことなく召喚(詠唱破棄)することもできる。かっこいいね。